(連続ブログ小説)幽霊がでる話
バサササッ!!
「ひいっ!」
真夜中の山に、何かが飛び立つ音と、私の背中を力強く掴んでいた優子の声が響く。
「ね・・ねぇ、やっぱり帰らない?ほ、ほら、二人は多分疲れたと思うからさ・・」
「ワタシは全然平気だよ、むしろ早く奴らにあいたくてうずうずしている!」
そんな陽香の返答に、優子は泣きそうになる。
「・・・嫌だったら来なきゃ良かったのに・・・」
「あ、あたしはほら、レイとヨーカがバカな事しないように監視するためにさ!」
恐怖を誤魔化すかのように、優子は作り笑いをする。ちなみにレイが私、本名は麗美。
なぜこんなことになっているかというと、
数日前、マッドサイエンティストの陽香が、アレが出るという山にみんなで調査に行こうといいだした。
当然ながら優子は断ろうとしてたが、陽香の言葉にプライドの高い優子が踊らされ、行くということになってしまった。
私も最初は断ろうと思ったが、バイト代を出してくれるらしいので、承諾した。
そしていま、真っ暗な山道をウキウキの陽香、めんどくさがっている私、私の背中にひっついて震えている優子の順番で歩いている。
「・・・ねぇホントにこっちであってるの?ほとんど何もないんだけど。」
「うーむおかしいな、掲示板の画像ではいたのだがな。」
「加工画像とかじゃないの?」
「いや、確かにあの肌の色は間違いない!奴らはそこにいるはずだ!早くつれて帰って解剖研究をしたいぞ!」
「あんた本当におかしいよね・・・」
私と陽香が中身のない会話をしていると・・・
「・・・!ね、ねぇ、何か聞こえなかった?」
突如、優子が目を見開きながらいって来る。
ガサガサ・・・
奥の茂みの方から何かが聞こえる。
暗くてぼんやりしているが、なにか大きなものが近づいてくる。
それがどんどん近づいてくると、暗闇の中に二本の腕のようなものが見えた。
「・・・何あれ?熊?」
「いや、熊だったらもっと毛深いはずだ。」
「ま、まさか・・・」
どんどんそれは近づいてくる。
すると陽香は興奮しだした。
「おお!ついにみつけたぞ!さあ!ワタシの元へ来たまえ!」
「バカな事言ってんじゃないわよ!早く逃げるわよ!」
「陽香!優子の言う通りだよ!早く逃げた方がいいって!」
「たわけ!せっかくのモルモットを逃がすものか!」
子どものように駄々をこねる陽香を、私と優子はなんとか取り押さえる。
ふと、茂みの音は消え、後ろに気配がした。優子と陽香が固まっている。
静かに後ろをふりむくと・・・
「コルラアアアア!!!」
「「「ぎゃあああああ!!!」」」
大きなおじさんが立っていた。
「『ぎゃー』じゃないわバカタレが!人の山でなにしてんだ!お前らどうせ、アレを探しにきた奴らだな!?」
「あ・・・えっと、ハイ。」
「やっぱりそうか!困るんだよ!バズだかなんだかの為だけに人の山にズケズケと入られるのは!
他の人に迷惑になる前に、とっとと帰れ!」
「「「・・・すみませんでした・・・」」」
その後、私たちは、おじさんに帰り道を教えてもらい、山を後にしていた。
「いやー、まさか私有地だったとはねぇ。」
「あんたのせいで散々な目にあったんだけど!?」
「すまんすまん、次はもっとばれんように侵入しよう。」
「そういう問題じゃないわよ!」
優子と陽香は言い争いを続けながら歩いている。
その言い争いを止めるために私は話題をそらそうとした。
「結局見つからなかったね、『人間』。」
「ああ、私たちと彼らの違いの研究ができなくて残念だ。」
「見つからなくてよかったわよ、人間にみつかったらあたしたち、祓われちゃうんだから。」
「次は空から探してみようかねぇ。」
「もうやめてあげたら?あのおじさん、生前からこの山を大切にしていたらしいし、変な噂がたったら危険な山にされて怒るかもよ。」
「肝試しスポットとしてうりだせばいいじゃないか。」
「あんたやっぱお化けでも人間でもおかしいって。」
そんな事を口にしながら、私たちはあの世へ帰っていった。
了
作 コカプリ
今更ながら、ブログ小説は月金のどちらかに不定期で更新させていただきます。
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